個人型確定拠出年金(イデコ/iDeCo)の受取時にいくら税金がかかるのかシミュレーションしてみた!

2016.10.4追記)日の神さんのコメントのおかげで、課税計算の過程を修正することができました。ご指摘ありがとうございました。m(._.)m
2016.12.6追記)確定拠出年金積立金の受取パターンを追加して再度シミュレーションしてみました。この分野に関してはズブの素人ですので、計算間違い等あれば遠慮なくご指摘いただけると幸いです。

2017年1月より、対象が公務員や主婦にも広がることが決定したこともあって、ますます盛り上がりを見せている個人型確定拠出年金(イデコ/iDeCo)。

僕自身もいよいよスタートさせるとあって、自分なりに勉強していましてね。

 

個人型確定拠出年金を知れば知るほど、あ~コレ絶対やったほうがイイよな~って、個人型確定拠出年金信者化していたんですけど。。

がしかし!ここにきて、まさかの個人型確定拠出年金の最大の盲点を知ることになりまして。

えっ!!個人型確定拠出年金って受取時に課税されんの!?(;´Д`)

 

個人型確定拠出年金は、拠出金は全額所得控除になって超節税になるし、運用益が出ても非課税だから、超絶オイシイ制度なんだぜ~!ってことは、過去記事でもまとめた通り。

だから受取時も、課税されることなく、そっくりそのまま拠出金(+運用益)を受け取れるんでしょー(*´▽`*)♪ って楽観的に思い込んでいたのですが、現実、そうは甘くなかったみたいで。

はい、個人型確定拠出年金は、受取時にしっかり課税対象として扱われます。

 

スミマセン、僕が勘違いしてました。ガックリ・・・。今まで僕は、個人型確定拠出年金最強の節税対策だっ!って声高らかに宣言していたのですが、正確には、節税対策ではなくて課税の繰り延べ対策、といえるんですね。

過去記事読んでいただいた方々、ごめんなさいね。。僕自身、ちょっと誤解がありました。

 

ということで、今回は気を取り直してですね。。

実際のところ、受取時にどうやって課税計算されるのか、そして具体的にどのくらいの額が課税されるのか、それについてシミュレーションしてみることにしました。

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予備知識。個人型確定拠出年金を受け取る時の課税イメージをおさえておきましょう。

個人型確定拠出年金の受取パターンはいくつかありますが、最も代表的なパターンとして、僕のような勤め人が退職時に退職金と個人型確定拠出年金積立金を同時に受け取る、というケースで解説してみます。

詳細は後述しますが、個人型確定拠出年金積立金を年金として受け取る場合は税金適用ルールが違ってきます。

 

とりあえず、受取時のかんたんな課税計算イメージをつくってみました。↓

2016-10-04_20h51_15

 

イメージとしては上図のように、全額に課税される訳じゃなくて、そこから退職所得控除を引いて、残った分を半分にした所にだけ税金がかかってくるっていうイメージ。ふむふむ・・・。

 

で、税金のかかってくる部分=退職所得の計算式はこのようになっています。↓

2016-08-07_18h11_49

 

一方で当然ですが、退職所得控除(=税金の割引チケットと考えてOK)が大きければ大きいほど税金が安く済むことになります。その退職所得控除の計算式がこちら。↓

2016-10-04_20h55_12

 

ポイントは『A』の部分。Aには勤続年数、もしくは掛け金拠出年数、どちらか長いほうが入ります。

たとえば勤続年数が30年、掛け金拠出年数が35年なら、Aには35を適用して計算します。

これはつまり、勤続年数が長いほど、または掛け金拠出年数が長いほど、退職所得控除(=割引額)が大きくなって、税金が安く済む!ってことを意味します。

 

ちなみに僕のように、転職歴の多い人は、勤続年数(=確定拠出年金が受け取れる60歳時点で、勤めている会社で働いた期間の合計)も短くなりがち。

こういう人は、確定拠出年金をできるだけ早めに始めたほうが、拠出年数>勤続年数となりやすい。

そうすると、勤続年数より数字の大きい拠出年数が、退職所得控除計算に適用されるので、その分退職所得控除が大きくなって税金も安くなります。

掛金の拠出をストップしちゃうと、その期間は拠出年数としてカウントされません。下限の5,000円でもいいから、とにかく拠出し続けることが大事です。

 

実際に個人型確定拠出年金受取時にどのくらい税金が発生するのか?3パターンでシミュレーションしてみた。

積み立てた個人型確定拠出年金の受取方法は、以下の3パターンを用意してみました。(今勤めている会社は60歳で退職すると仮定します)

  1. 60歳で退職金&個人型確定拠出年金積立金を一時金として同時に受け取る
  2. 60歳で退職金を一時金として、61歳で個人型確定拠出年金積立金を一時金として受け取る
  3. 60歳で退職金を一時金として、個人型確定拠出年金積立金は60~65歳にかけて年金として受け取る

 

退職金と個人型確定拠出年金積立金の金額はザッとこのくらいを想定。↓ ちなみに退職金は個人的な希望的観測がだいぶ入ってますが。w

  • 退職金は2,000万円(勤続30年)
  • 個人型確定拠出年金の積立分は400万円(=年間14.4万×28年間積立、計算簡略化のため運用損益0と仮定)

 

ということで早速、僕のケースで上記の3パターンをシミュレーションしてみましょう! ※今回は計算を簡易化するため特別復興税は考慮していません。

 

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①退職金2,000万円+個人型確定拠出年金積立分400万円を一時金として同時に受け取る場合

まず退職所得控除は、より年数の大きい勤続年数(=30年)が適用されるので、

800万円+70万円×(30年-20年) = 1,500万円

 

そしてこれを退職所得の計算式に当てはめると、

{(2,000万円+400万円)-1,500万円 } ×1/2 = 450万円

 

ってことで、450万円(=これが課税所得)にだけ税金がかかってくるらしい。ではさっそく所得税と住民税を算出してみましょう!

 

所得税はいくらかかる?

450万円ってことは、税率はこの部分に該当してきます。↓

2016-10-03_22h07_06

 

つまり所得税は、450万円 ×20% -42.75万円 =47.25万円ってことになります。

 

住民税はいくらかかる?

住民税の計算方法はもっと簡単です!課税所得額にかかわらず、住民税率は一律10%なので。

2016-10-03_22h12_20

 

ということで住民税は、450万円 ×10% =45万円ってことになりますね。

 

所得税+住民税の合計はいくら?

ということで税の合計額は、所得税47.25円 +住民税45万円 =92.25万円ってことになります。ほえ~、こりゃでデカイわ。。

 

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②60歳で退職金2,000万円を一時金として、61歳で個人型確定拠出年金積立金400万円を一時金として受け取る場合

まずは退職金の課税所得を計算してみます。勤続年数30年を適用すると退職所得控除は、パターン①と同じ1,500万円となります。これを退職所得の計算式に当てはめると、、、

{(2,000万円+0万円※1)-1,500万円 } ×1/2 = 250万円

※1 個人型確定拠出年金積立分は61歳で受け取るので対象外

ってことで、退職金の課税所得は250万円となります。

 

一方で、個人型確定拠出年金積立金は退職金とは時期を1年ずらして受取るため、課税所得は別途計算する必要があります。

実は「退職金を個人型確定拠出年金受給前の15年以内に受け取る場合、個人型確定拠出年金の退職所得控除の計算期間のうち、退職金との重複期間は差し引かれる」という税制ルールがあります。ということは、1年ずらして受け取る今回の試算パターンはこのケースにバッチリ該当しますね。

 

勤続年数は30年。個人型確定拠出年金積立期間は28年。なので重複期間となる個人型確定拠出年金積立期間28年が、退職所得控除の計算式に適用できないことになってしまいます…。つまりこの場合は、退職所得控除=ゼロ、となります。(/ω\)

たとえば勤続年数が20年、個人型確定拠出年金積立期間が28年なら、重複していない積立期間8年が退職所得控除の計算対象になります。

で、具体的に課税所得を計算すると、、、

{(0万円※1+400万円)-0万円※2 } ×1/2 = 200万円

※1 退職金は60歳で受け取るので対象外
※2 個人型確定拠出年金積立期間は適用できないので退職所得控除は0円となる

 

所得税はいくらかかる?

まず退職金の所得税は、250万円 ×10% -9.75万円 =15.25万円。

そして個人型確定拠出年金積立金のそれが、200万円 ×10% -9.75万円 =10.25万円。

ってことで、所得税の合計は25.5万円ですね。

 

住民税はいくらかかる?

住民税率は一律10%だったので、退職金の住民税が250万円 ×10% =25万円。

一方、個人型確定拠出年金積立金のそれが200万円 ×10% =20万円。

てことで、住民税の合計は45万円です。(=パターン①と同じ)

 

所得税+住民税の合計はいくら?

ということで税合計は、所得税25.5万円 +住民税45万円 =70.5万円ってことになります。うん、パターン①より少し下がりましたな。

 

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③60歳で退職金2,000万円を一時金として、個人型確定拠出年金積立金400万円は60~65歳にかけて年金として受け取る場合

さて、最後に3つ目のパターンです。まず退職金2000万円の課税額は、パターン②のシミュレーション結果の通りです。(所得税15.25万+住民税25万=計40.25万円)

 

一方で、個人型確定拠出年金積立金400万円を年金として受け取るとなると、計算方法が少し変わってきます。。これが課税所得(=正確には雑所得というらしい)計算の年金バージョン。↓

2016-12-06_20h07_10

 

たとえば62歳で一年間の年金受取が300万ある人の課税所得は、300万×0.25+37.5万=112.5万円となります。

 

ここで特筆すべきポイントは、上記の赤枠で囲ってある部分。65歳未満だと70万円までなら(65歳以上は120万まで)、課税所得がゼロになります!ということは当然税金もかかりません。ゼロ円です。マジですか!!(嬉)

ということで、個人型確定拠出年金積立金を年金受け取りとした場合、とりあえず年間受取額を70万円以下にしておけば、税金(所得税+住民税)をタダにできそうです…。ホントかな?w

 

さてさて、ということはパターン③のケースだと、払わなければいけない税金は退職金分の40.25万円のみということになります。(この計算であってる??)

 

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じゃあ個人型確定拠出年金は一切やらずに、60歳で退職一時金を受取る場合の税金はいくら?

個人型確定拠出年金利用による課税額への影響度を評価するために、このパターンの税額も整理しておきましょう。

退職金のみ受け取るということであれば、パターン②の結果を引用できます。

 

つまり個人型確定拠出年金をやらずに、退職金のみを受け取った場合に差っ引かれる税合計は、所得税15.25万円 +住民税25万円 =40.25万円です。当然ですが、だいぶ下がりますね~。

 

最も気になる部分。個人型確定拠出年金の節税メリットは、忌々しい受取時の課税にどこまで食われるのか?

さてさて、僕のケースをもとにシミュレーションした課税額(所得税+住民税)を以下にまとめますと、、、

※繰り返しになりますが退職金は2,000万円 個人型確定拠出年金積立金は400万円と仮定して試算しています

  • パターン①(60歳で退職金&個人型確定拠出年金積立金を同時に受取) ⇒92.25万円
  • パターン②(60歳で退職金、61歳で個人型確定拠出年金積立金を受取) ⇒70.5万円
  • パターン③(60歳で退職金、個人型確定拠出年金積立金は60~65歳にかけて年金受取) ⇒40.25万円

 

一方で、個人型確定拠出年金を一切やらなかった場合の課税額は40.25万円でした。すなわち個人型確定拠出年金積立をすることで増える納税額は、、、

  • パターン① ⇒+50万円の増税(=92.25-40.25)
  • パターン② ⇒+30.25万円の増税(=70.5-40.25)
  • パターン③ ⇒0万円。増税なし。納税額は個人型確定拠出年金有無にかかわらず一緒(=40.25-40.25)

つまり今回の僕のケースだと、個人型確定拠出年金積立金は年金受取にすることで納税額を最小限に抑えることができそうです。

 

さて最後の仕上げです!実質的な個人型確定拠出年金節税メリットを算出してみましょう。

 

個人型確定拠出年金をやる上で最低限求められるのは『節税額 > 増税額』です。これを満たさなければ個人型確定拠出年金をやる意味がありません。

繰り返しになりますが、今回のシミュレーションは、計算簡略化のため個人型確定拠出年金による投資損益はない(=0円)ものとして考えています。

ということで、個人型確定拠出年金の節税額をざっくりですが計算してみることにしましょう。

 

  • 個人型確定拠出年金拠出額400万 ×20%(←ここの税率は年収によって変わってきますが、とりあえず平均値として20%を採用) =節税額は80万円!

 

はい、節税額はだいたい80万円くらいってことにしましょう。※税率とか本当にざっくりなので、ツッコミ所はあるかと思いますが、あくまで参考値ってことで宜しくお願いします。

 

この節税額と増税額をもとに、各パターンのメリットを最終的にまとめたものがこれ。↓

  • パターン① ⇒+30万円の利益(=節税80-増税50)
  • パターン② ⇒+50万円の利益(=節税80-増税30.25)
  • パターン③ ⇒+80万円の利益(=節税80-増税0)

 

てことで、今回のシミュレーション結果を総括すると、確定拠出年金メリットを最大限享受したいなら確定拠出年金積立金は年金受取にすべき!(パターン③)ってことになります。はあ、疲れた…。

 

元々僕は「個人型確定拠出年金=永久に非課税」とい大きな勘違いをしていたこともあり、今回のシミュレーション結果には軽いショックを受けております…。

『非課税』を一つの売りにして、国がゴリ押ししてる確定拠出年金制度は、確かに『拠出中は非課税』だけど『受取時はしっかり課税』されんのね。

なので正確には冒頭でも書いた通り、非課税ではなく、課税の繰り延べってことになりますね~。世の中なかなかウマい話はありませんな。。w

 

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まとめ。結局のところ個人型確定拠出年金はやったほうがいいのか。やらないほうがいいのか。

半信半疑で試算してきましたが、個人型確定拠出年金受取時に課税されるのは事実のよう…。ただ、パターン③のように確定拠出年金積立金を年金受取とすることで、増税を最小限に抑える術はあるようです。

パターン③は「60歳で退職、61歳~公的年金がもらえる65歳までの収入を個人型確定拠出年金積立金のみに頼る」という前提でシミュレーションしています。

ただし、もし61~65歳の間に他の収入があれば、当然その間の納税額は増えることになります。実際問題として、よっぽどの資産家を除けば、この5年間の収入を個人型確定拠出年金のみに頼るというのは現実的じゃないですよね。最大限拠出できたとしても総額400万ですから。まあこれは僕の場合ですが。最近は、60歳で一旦退職し、61~65歳は再雇用で働くスタイルが一般化しているので、61歳から個人型確定拠出年金を年金受取しつつ、給与収入も得るというパターンも多いのではないでしょうか。

 

まあ制度のことはゴチャゴチャ言ってもしょうがないので、潔く受け止めるとして、結局のところ確定拠出年金をやる価値はあるのか?と聞かれれば、個人的には個人型確定拠出年金は実行するべきなんじゃないか?と考えています。

 

なんだかんだ言っても税制上のメリットは大いにあるわけで、とりあえず元本確保型の商品定期預金、保険商品など)を選んでおけば、損することはなさそう。

加えて、価格変動型の商品投資信託)などでうまく利益がのれば、資産を大幅に増加させることも可能。投資=危険、不安とネガティブ先考する人もいますが(僕もそうでした…)、デイトレードなの短期投資と違い、20~30年スパンの長期投資なので、それらの投資をごちゃ混ぜにしてリスクにばかり目がいくのはモッタイナイことなのかな~と。最近そう思えるようになりました。

 

それと、ここまで書いといてなんですが、そもそも退職金が2,000万も出るのか分かりません。w

もっといえば今の会社でずっと働き続けるかも分からない。極端な話、明日から自営業に転身すれば、個人型確定拠出年金受取時の税金はほぼゼロに近くなります。(退職金がそもそもないので、個人型確定拠出年金積立金だけなら課税対象になる可能性が低い)

つまるところ、個人型確定拠出年金積立金を受け取る30年後のことなんて、神様しか分からないわけで、今うだうだ考えてもしゃあないかなぁと。

 

仮に、節税効果が増税+投資損失ですべて食われてしまったとしても、少なくとも個人型確定拠出年金によって課税の繰り延べはできるのは確かなので、その部分のメリットだけでも大きいのかなと思っています。

 

1年後の100万円より今の100万円。

今手元に余裕資金が多くあるほうが、資産形成に優位な状況であることは間違いないわけで。僕は個人型確定拠出年金制度をそんなふうに前向きに捉えるつもりです。

 

あ~、気付くと7,000字も書いてしまった…。長文スミマセン。。そして最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。

個人型確定拠出年金(イデコ/iDeCo)のまとめページを作りました。節税と投資が同時にできる、最強資産運用のイロハを分かりやすく解説します。

【徹底ガイド】個人型確定拠出年金(イデコ/iDeCo)のイロハを分かりやすく解説します。

2017.01.06
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SOHTARO
散財・病気・転職と、人生コスパ最悪夫の資産形成術をフォローしてみませんか?失敗だらけのポンコツだからこそ伝えられる何かがあるはず!(笑)

8 件のコメント

  • 確定拠出年金に興味があり,貴殿のホームページを拝見させていただき,大変勉強になりました。
    ところで,所得税の計算で,控除額が抜けているようです。
    控除額を加味し,再計算をお願いできないでしょうか?

    • コメント頂いた部分の課税計算過程を修正してみました。もし他にまだ間違い・不足事項などあれば遠慮なくご指摘いただければ幸いです。^^

    • コメントありがとうございます。

      はっ・・・!確かに所得税算出の過程で、控除計算が抜けてますね・・・。どうりでずいぶん課税額高いなと思いました。^^;
      近々修正して再度UPしますね。

      ご指摘に感謝致します!

  • 課税計算の過程を修正いただき,よりわかりやすくなりました。
    ありがとうございます。
    さて,貴殿のシミュレーションのように,退職金が退職所得控除以上の場合,
    DC積立金の受け取りを,退職金の受け取りの年とずらすことで,より節税できるようです。
    (退職所得控除は使えませんが,所得税率を低く抑えられます。)

    • コメント頂きありがとうございます!
      なるほど、、、こういう節税テクニックもあるのですね。
      近々こちらの条件でもシミュレーションしてみたいと思います。情報提供に感謝します!m(__)m

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