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【実体験】28歳・未経験で農業(酪農)に転職したら年収はこうなった

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学校卒業後は、機械エンジニアとして3年間働いていたこともある僕ですが、現在は酪農法人に雇われるカタチで、つまりサラリーマンとして酪農の仕事しています。

雇われの身なので経営部分にはタッチしませんが、牛さんの乳搾りやエサ作り、牛舎掃除や人工授精をしたりと、仕事自体は酪農家さんと同じことをやっています。

 

この仕事をはじめて現在6年目(34歳)なのですが、たまに読者さんよりこういった質問をいただくことがあります↓

  • 農業への転職を考えてるんだけど未経験でも大丈夫?
  • 給料などの待遇面って実際のところどうなの?

 

そこで今日は、実際に未経験で農業に転職した僕が、その実体験をもとに農業(酪農)サラリーマンの収入や適性について書いてみようと思います。

目次

はじめに。なぜ脱サラ農業じゃなくて勤め人なのか。

 

農業への転職、といえば脱サラして新規就農するというイメージが強いと思います。

しかし、僕は勤め人として(雇われサラリーマン)、農業を仕事にする道を選びました。

理由は大きく2つあります↓

  1. 高収入よりも安定収入が欲しかった
  2. 保障された休日が欲しかった

 

①についてですが、必ずしも「自営=高収入」が成り立つわけではないと思います。

が、まわりで新規就農していった知り合いの中には、僕の2倍も3倍も稼ぐ酪農家さんも結構いて(年間所得ベース)、そういう人たちは経営手腕も牛飼い技術も、ぜんぶひっくるめて一流なんだと思います。

 

「酪農経営で成功してみたい」という思いから、一時期は僕も起業を考えたこともありましたが、今はもうその夢はあきらめました。

一言でいえば「その覚悟がなかった」ということに尽きます…^-^;

起業するための借金をしなければならないことや、収入が安定しないリスクなど、自営業ならではの不安要素に勝てるだけの覚悟も熱意もなかったということですね。

その点、新規就農していった仲間たちは本当にすごいと心底思っています。

 

②については、農業全般にいえることですが、自然や生き物を相手にする以上、人間の都合で休むことはなかなか難しいです。

たとえば酪農を自営でやってたら、毎日搾乳が絶対なのでキホン休みはありません。

休むためには、知り合いや同居してる家族に頼んだり、酪農ヘルパーにお金を払って頼むしかありません。

酪農という仕事は好きですが、ハッキリいってしまえば「やっぱり保障された休みは欲しい」です。(こんな人間に自営がつとまるわけがないですね笑)

 

僕の場合は、休みが保障されていない仕事というのが、どうしても自分の価値観やライフスタイルと相容れなかった。

そういうことで今に至ります。

 

農業(酪農)サラリーマンの待遇とか適性について

ということで、以降は「勤め人として農業をやってみたい!(転職してみたい!)」って方に向けて書いていきます。

僕は酪農しかやったことがないので、どうしても酪農メインの話になりますが、考え方や傾向は、他の農業にも当てはまると思うので、参考にしてみてください。

待遇(収入・手当・休日)について

僕自身は、酪農ヘルパー組合で1年ちょっと修行してから、そこを辞めて、今の職場である酪農法人に再就職しています。

酪農ヘルパーというのは、休みを取りたい酪農家さんに代わって搾乳や給餌などの作業を請け負う仕事です。

なのでその日によって働く場所が(=派遣先である酪農家さん)変わります。

参考:酪農ヘルパーって何?

 

はじめに酪農ヘルパーという職業を選んだのは、未経験からスタートできる体制が整っていることに加え(組合によるが)、給料などの待遇面が一般的に準JA職員という扱い=そこそこ安定感があった、というのがその理由です。

 

ただ待遇は安定してるいっても、過度な期待はしないほうがいいです(笑)

あくまでこの業界(酪農業)の中だけで比較した場合なので。

ちなみに、僕の酪農ヘルパー1年目(当時28歳)の待遇はこんなかんじでした↓

  • 月給(固定):18万円
  • 住宅手当:1万円/月
  • 家族手当(配偶者):1.5万円/月
  • 暖房手当:10万円/年1回
  • 休日:5日/月
  • ボーナス(年2回):4か月分くらい
  • 休日出勤手当あり
  • 社会保険あり(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金)
  • 昇給あり(年1回)
  • 有給休暇(初年度は年間10日)
  • 通勤用の車貸与あり

 

これらを総合すると、1年目の年収としてはざっと320万くらいになります。

僕は未経験からのスタートでしたが、この数字は年齢とか経験値によって変わるでしょう。

また休日については5日/月とありますが、ウチの組合の場合だと慢性的な人出不足のせいで、完全5日とまではいかず、3~4日/月が現実でした。(そのぶんは休日出勤手当として支給)

その関係で、有給消化も年間3日程度がいいところだったと記憶しています。

 

まあこのあたりの給与・手当・休日や各種制度は、ヘルパー組合(地域)によってかなり左右しますので、一概には言い切れませんが、ウチの組合の待遇はどちらかというと、ブラック気味だったのかもしれません。

他の組合の話を聞いて、ウチの待遇の低さに驚いたことを覚えています^^;

 

僕の年収推移については、こちらの記事にもまとめまてありますのでよければ参考にしてみてください↓

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適性(センス・慣れ)について

待遇と同じくらい気になるのがこの部分だと思います。持論ですが、農業への適性は大きくこの2つに分かれると思います↓

  1. 仕事に対する適性
  2. 職場に対する適性

それぞれについて持論を書いてみます。

仕事に対する適性について

①については、やってみないと分からない部分が大きいですが、ぶっちゃけ「農業がすき!農業をやってみたい!」って気持ちがあれば十分だと思います。

僕みたいにセンスがなくて、物覚えが悪くても、場数を踏むことで少しずつ慣れる人も大勢いますので。

基本的に農業は作業体系が決まっていて、ルーティン化されている部分も多いので、反復習得が可能です。

慣れはセンスをカバーしてくれます。

 

酪農ヘルパーやってた時に、とんでもなく不器用でなかなか仕事を覚えられない子がいましたが、持ち前の人柄の良さと、農業に対する情熱で、少しずつ信頼を獲得していったのは印象的でした。

僕もヘルパー時代に、上司や農家の親父から理不尽に罵倒されたことがありました。

が、そういうことは僕だけじゃなくて周りもそうだったし、そういう輩は相手にするだけムダなことが分かっていたので、「まあしゃーねーわな」と流すことができていました。

(どうしようもない時は、帰りの車中で放送禁止用語で叫んでましたが笑)

 

職場に対する適性について

むしろ問題なのはこっちです。

こればっかりは自分ではどうしようもなく、もし馬の合わない人と協働を求められたら、これはもう辛いですね。。

たとえば酪農家に雇われたとして、現場は畜主+従業員数人だけで回しているとしましょう。

で、この状態で人間関係に問題があると、逃げ場がないので精神的にやられます…。ヘルパー時代に派遣された現場で、そういう状況に陥ってしまった従業員さんを何人もみてきました。

(もちろん職場環境が最高に良くて、活き活きと働いている従業さんもたくさんいましたが!)

 

これを避けるために、僕は社員数の多い酪農ヘルパー組合を選びました。

この組合には、常時動けるヘルパーが20人前後在籍していました。

ヘルパーの場合、基本2人ペアで現場に向かいますが、社員数が多ければ、たとえば相性の悪い人間とは組まないよう、配置してもらいやすくなります。

実際、ウチの組合にも不仲が原因で、絶対に一緒に組ませないペアもいました。

社員数が多いってことは、そのぶん逃げ場も多くなります。

 

あともう一つ、酪農ヘルパーのメリットは、定期的に現場(派遣農家)が変わるってことです。

ヘルパーはサービス業です。仕事自体は対牛がメインですが、それと同じくらい対農家さん、つまり人間相手の仕事でもあります。

農家さんの中には、結構クセの強いジジイやババアも少なからずいて(おっと失礼)、相性が合わない農家には、もう行きたくねー!って思うんですが、まあ数日我慢すれば現場が変わるんで、そう意味でヘルパーは楽です。

現場(農家)の数だけ、逃げ場があるってことですね。

 

もしこれが牧場の従業員だった場合は、逃げ場がないので、毎日ゲロゲローって感じで働かねばなりません。

まあ現場が都度変わるヘルパーだと、農家の数だけ覚えなきゃいけない仕事も増えるので、そういう意味では大変なんですがね。

一長一短です。

 

雇われ農業サラリーマンの理想的なキャリアとは

ある程度仕事も覚えて、自信がついてくると、より厚待遇を求めるのは自然なことです。

一生勤め人として農業に携わっていくのであれば、より条件の良い、他の会社に目が向くこともあるでしょう。

それでいいと思います。実際僕もヘルパー⇒酪農法人へ転職してますし。

 

しかし当然ながら酪農にしても、畑作にしても、園芸にしても、未経験からはじめるとなれば、最初から厚待遇は望めないことが圧倒的に多いです。

経営者目線で考えれば当然ですよね。実績のない人に投資するのは難しいことです。

 

なので最初は修行だと思って、待遇よりも技術習得を優先する気持ちで頑張るしかないです。

んでもって、実績や自信がついてきたら、その会社でキャリアアップするもよし、より厚待遇を求めて転職するのもアリです。

 

言い切ることはできませんが、規模や社員数の大きな農業生産法人や、都道府県が運営している農業試験場などの公的機関だと、給与待遇や福利厚生が充実している傾向にあります。

他にもたとえば、大学が有する農場の管理職員や、大企業直営の農場作業員、国が運営する家畜改良センター職員などは、充実している印象があります。

 

まあ、なにをもって理想的なキャリアと呼ぶか、それは人の価値観によって変わりますよね、、、

給料とか休みが少なくたって、やりがいさえあればそれで十分さ!って人には参考にならないかもしれませんね。

 

いずれにしても、ひとつだけ言える確かなことは、、、

そうたろ
農業って楽しい!牛はかわいい!

 

エンジニア時代は色んなことがあって、生きてるのか死んでるのか分からない状態だったけど、、、

今、そんなことをブログネタにして笑えるってことは、転職して正解だったんだろうって思います。

 

さて、今日も張り切って搾乳してくるかー!!(○ˊᵕˋ○)

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