みなさんこんにちは!そうたろ(@minlife2016)です。
2012年の冬、待ち合わせ場所として指定された都内の某高級ホテルのラウンジにて、ぼくはそわそわしながら”その人”がくるのを待っていました。
そして、その時のぼくはとても委縮していました。このラウンジ自体が本来、とてもじゃないですが自分のような人間がいられる場所ではなかったからです。
重厚感と高級感の塊のような高貴な空間。メニューに目をやれば1杯1,200円もするコーヒー。まわりを見渡せば、貴婦人とか実業家とか、自信や余裕しかにじみ出ていない成功者たちばかりのように見えました。
当時、転職3回・全財産120万円・28歳の契約社員だったぼくにとって、ここは不相応な場所であることが明らかでした。
(実際に待ち合わせした場所です)
まあ、でも今となってはそんなことはどうでもいいのです。
なんせこの情報商材を買うために上京した今日、まさにこの日から、ぼくの人生は変わるのだから。

ネットで月数十万稼げるようになって、鼻クソみたいな給料しかもらえない会社なんかさっさと辞めて、居候してる肩身のせまい実家ともおさらばして、PC1台で第二の人生を謳歌してやるのだ・・!



だいぶ痛い奴だにゃ(笑)
兎にも角にもついに、”その人”はやってきたのです。
ぼくが20万円の情報商材を買うに至った経緯
2012年の当時、某運送会社の契約社員として働いていたぼくはもがいていました。
もともとは工学系の大学を出て機械エンジニアとして製造メーカーに就職。しかし人間関係などに悩み3年で退職。そのあたりの経緯はこの記事に書いたとおりです。


で、辞めたあとは羊飼いを一年やりましたがそれも辞めて、運送会社で契約やりながら日銭を稼いでいました。ちなみに当時は結婚1年目。妻を養えるほどの経済力はなく、仕方なく実家に居候させてもらっていました。



このままだと色んな意味でヤバイかも。
もちろん転職して給与収入アップは狙っていきますが、最悪、何らかの事情で働けなくなってしまっても生きていけるようにそれ以外の収入源も作っておきたい。
当時はそうやって、常に本業以外でお金を稼ぐ方法を考えていました。
FXやヤフオク転売もやってみました。しかしどれも自分の性にあわないのか続かなかったです。というか、FXは強制退場させられました(笑)


そんなときに、藁にもすがる思いでググっていたときに見つけたのがそう、この情報商材だったのです。
星の数ほどもある、玉石入り混じる商品群のなかから、20万円もするこの商材に惹かれたのには理由があります。
数か月後、この商材を買ったことを後悔するのですが、典型的な情報弱者だった当時のぼくにその判断ができませんした(笑)
「直接面談して指導・助言」「サイトデザインと立上げは代行」
今でこそWEBサイトでいくらか稼げるようになった我家ですが、当時は、サイトで稼ぐといっても一体なにからはじめていいのか全く分からない状態でした。
だから右も左も分からないド素人であるぼくにとって、この商材はまさに「神のような商材」だったのです。
情報商材にありがちな、マニュアルを売りつけたら「はいサヨナラ」ではなく、直接作者と会ってビジネスの詳細を聞くことができる、そして購入後のメールサポートも充実しているようにみえました。
しかも、素人にとって難易度の高いサイト立上げ作業を代わりにやってくれるというではないですか・・!
つまりこちらは、サイトの中身だけを淡々と作成すればいいらしい。その作業はルーティンであり、すきま時間でできて、やればやるほど収入につながるらしい。
そしてうまくやれば3か月で月10万、さらに半年で50万も可能とか、魅力的な訴求ワードがそのセールスレターには並べられていたのです。



よくありがちなセールスレターにゃ(笑)
直接面談。商材の中身はアドセンスマニュアルだった
商材の中身、すなわちどんな作業をしてどのような仕組みでお金を稼ぐのか、その肝要な部分は対面するまで知らされていません。
作者と面談して、その説明を受けてから、自分の判断で購入を決めることができる。「今回はちょっと・・」ということなら辞退することも可能とのこと。
さて、話を戻しましょう。
ついに、待ち合わせ場所に”その人”、つまり商材の作者があらわれました。そう、ぼくはこれからこの人と面談するのです。
歳は30前後でしょうか。思ったより若そうな兄ちゃんです。外見は意外でした。カジュアルな服装はいいとして、寝グセぎみの乱れた金髪、乾いた表情で笑顔はなく、徹マン明けのようなドロドロと濁った目をしていました。
正直、購買意欲が一気に80%くらい冷めました・・(´・ω・`)w
年間数千万も稼ぐネットビジネスの成功者というのは(自称なので真偽は不明だが)、中身はともかく、せめて外見くらいはもう少し整えてくるものと思っていたのだけど、ぼくの勝手なイメージはあっさりと裏切られました。



なんだこいつは・・・めっちゃ胡散くせーじゃん(笑)
それがぼくの第一印象で素直な気持ちでした。
挨拶もそこそこに、さっそく本題に入り、兄ちゃんは用件だけを早口でしゃべり始めました。
その口調は、つい先日、投資詐欺をもちかけてきた電話口のあんちゃんを彷彿とさせました。
トークは理路整然としており、無駄は一切なく、何人もの客相手に同じセリフを吐いてきたのでしょうか、非常に洗練された分かりやすいセールスに仕上がっていました。
(金髪兄ちゃんが紙に書いて説明してくれた内容①)
話の合間にぼくが「なぜ会社員ではなくネットビジネスという職業を選んだのか」と尋ねると「うーん、そっちの方が性に合ってたからじゃないですかね」と端的な答えが返ってきました。
ぼくの質問タイムはそれで終了し、再び商材の話に戻されました。
さて、肝心の商材の正体は「グーグルアドセンス」でした。
その手法は、ひたすらサイト(記事)を量産してPVを集めて、読者に広告を踏ませることで広告収入を稼ぐというものです。
(金髪兄ちゃんが紙に書いて説明してくれた内容②)
正直ぼくは落胆しました。
アドセンス自体は何ら目新しい手法でもないし、ぼく自身もその存在を以前より知っており、そう易々と大金を稼げるわけがないことは分かっていたからです。
まさか「商材の正体はアドセンスじゃあるまいな・・」と一抹の不安はありましたが、それが現実になってしまった形です。しかし結局、ぼくはその商材を買いました。
飛行機代を支払って東京まできて、まさか手ぶらで帰るのは悔しかったし、なによりこの20万の商材があれば人生変えられる!みたいな、ある種の信仰心にも似た間違った気負いがありましたので。
自分の思うようにならない現実に焦りを感じ、それをなんとかして打開したかったのです。



とりあえずやってみて、ダメならまた考えるわ。



失敗する匂いしかしないにゃ(笑)
結局この情報商材でいくら稼げたのか?
こうしてぼくは購入したマニュアルに沿って作業に取り組み始めました。
やることはパソコンのメモ帳にひたすら記事を書いて、それがたまったら金髪兄ちゃんに送って、サイトとして立ち上げてもらうというもの。
最終的にジャンルの違う5サイトが出来上がりました。各サイトに40記事くらいずつ投下したでしょうか。
ここまでくるのに3か月という時間を費やしました。ぼくは作業速度が遅かったため、Nには「もっとスピードをあげろ」とケツを叩かれました。
でもはじめてアドセンス収入が発生したときはやっぱり嬉しかったのは事実です。
たかだか数十円の収益でしたが、自分の書いた記事が資産となり、自動でお金を稼いでくれた。本業以外の収入源が欲しくてたまらなかったぼくにとって、それは夢にまでみた瞬間でした。



嬉しくて感動するってこういうことなんだな。
結局これらの5サイトで稼げた広告収入は、累計で約3万円ほどだったと記憶しています(笑)
需要がなかったためか、クオリティの問題だったのかはわからないけど、PVも収益も、理想値にはほど遠い結果でした。
商材を購入してから9か月後には作業意欲を喪失、作った5サイトも完全に放置し、3年後にすべてのサイトを閉鎖しました。
もちろんこの手法によるビジネスは今はやっておらず、金髪兄ちゃんとの連絡も一切とっていません。
ということで、この商材の投資対効果としては、20万円支払って3万円の収益となりました。
投資した金額はまったく回収できていません。つまり”惨敗”でした(笑)



高い勉強料になったにゃ!
大切なのはいくら稼ぐかよりもどう稼ぐか
まあ結果的には失敗に終わったわけですけど、決して今でも、商材のビジネスモデルそのものが悪いとは思っていません。
商材が悪いのではなく、自分がそのビジネスモデルに向いていなかったのだと思っています。
金髪兄ちゃんから「文字数が多すぎる」だの「作業スピードが遅い」だの注文されるのが全くもって気に入らなかったし、自分で写真やイラストを挿入したりサイトデザインを変更することがほぼ不可能だったことは、ぼくにとって致命的でした。
人が作ったルールやデザインでしかサイト運営できない状況は、とてもつまらなかったですし苦痛な時間でした。
自分好みのサイトを自由に作って、自分のやり方で収益化したい。
作業していくうちにそういうことをよく考えるようになっていきました。
ちなみにさきほどその商材の販売ページを探してみたが、見つけることはできませんでした。閉鎖したのかもしれません。
まあいずれにしても今の時代、あのやり方では稼ぐのは難しいだろうと思います。
参入者も格段に増えましたし、昔のようにとりあえずコンテンツ量産&最低限のSEOしときゃ集客できるような甘い時代ではなくなったことは、弱小ブロガーの自分でも分かります。
その商材に20万円の対価はあったのか?
20万円の情報商材を買って分かったことは、所詮商材なんてものは他人のやり方なんだってことです。
こういう事例もあるんだなぐらいの参考情報だと思っておいたほうがいいです。その手法が買った本人にハマる保証は一切ないのだから。
結局のところ、成功パターンとか稼ぐための法則は人や時代によって変わるのでその答えは自分で見つけるしかないと思います。
20万円であの商材を買ってから7年が経ちました。
現在はワードプレスを活用して自由自在にブログ運営しており、さきほど確認してみたらアドセンス収益も通算100万円を超えていました。
商材のノウハウ自体は自分にとってはゴミでしたが、そのおかげで「自分が理想とする発信方法と稼ぎ方」を見つけることができました。
そういう意味ではそうですね・・二千円くらいの対価はあったと思います。
まあ色々書きましたが我家をネットビジネスの門戸に立たせてくれたのは、あの金髪兄ちゃんだったと素直に思います。そう言う意味では金髪兄ちゃんに少なからず感謝しています。
最後になりますが、ぼくはこの商材自体が「詐欺商品」だったとは思っていませんが、セールスレターに書かれていた「お金を稼ぐ方法」を実践して再現できる人はほんの一握りだと推測しています。
実際に自分で体験してみると、ネットで数万円を稼ぐことがいかに大変なことか、身をもって痛感させられました。
今はネットで稼ぐ方法でググると優良情報がたくさんヒットしますし、20万円も出して商材を買う必要は全くないと思います。
サイト運営でお金を稼ぎたいと考えている方は、ぼくの体験を反面教師として参考にしてもらえましたら幸いです。
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