個人事業主/フリーランス向けの有料青色申告ソフトといえば、弥生やfreee、MFクラウドなどが代表格だと思いますが、うちはKACが無料配布している「エクセル簿記」を使っています。

そう思っているのですが、、、
意外なことにネット上では、エクセル簿記に関して素人向けに解説している記事は少ないのが現状です・・・これではエクセル簿記を始めたくても、ノウハウが少ないので敬遠してしまう人も多いかと思います。

ということで、我家流にはなりますが【エクセル簿記の簡易マニュアル】を作ってみました!
これからエクセル簿記を使ってみたい!というような青色申告初心者の方の参考になれば幸いです(^-^)

見出し
- 1 【はじめに確認①】エクセル簿記で作成できる青色申告帳簿について
- 2 【はじめに確認②】税務署への提出書類と提出方法について
- 3 【ダウンロードする】エクセル簿記テンプレートは必ず最新版をDLして使う!
- 4 【ステップ1】会計期間を入力する
- 5 【ステップ2】決算書①に申告者の情報を入力する
- 6 【ステップ3】決算書④(貸借対照表)に期首残高を入力する
- 7 【ステップ4】オリジナル仕訳帳を作ってエクセル簿記に転記すると決算書①②④が完成|無料テンプレートあり
- 8 【ステップ5】決算書③(減価償却費ほか)を作成する|※必要な人のみ
- 9 【補足】個人事業主がe-Taxで青色申告(確定申告)する方法
- 10 【さいごに】青色申告帳簿の作り方については青色申告会が頼りになる!
【はじめに確認①】エクセル簿記で作成できる青色申告帳簿について
- エクセル簿記には4つのテンプレートがありますが(一般用・農業用・不動産用・減価償却専用)、今回は「一般用」を使って解説していきます。
- この記事では、ブログ運営をしている我家のケースを紹介していきます。事業内容によっては、帳簿の作り方や提出書類が異なることをご了承ください。
- この記事で解説用に使用しているエクセルバージョンは2021になります(Microsoft 365 Personal)。
本題に入るまえに、エクセル簿記でどんな帳簿が作れるの?ってハナシをしておきましょう!
エクセル簿記で作成できる帳簿はこちらの4つです↓
- 仕訳帳
- 決算書(①②③④)
- 総勘定元帳
- 固定資産台帳

それでは各帳簿の様式についてもかんたんに紹介しておきます!
仕訳帳

決算書①(損益計算書)
決算書②

決算書③

決算書④(貸借対照表)

総勘定元帳

固定資産台帳

【はじめに確認②】税務署への提出書類と提出方法について


- 決算書(①②③④) ※エクセル簿記で作成可能
- 申告書B ※エクセル簿記で作成不可




- 【方法①】エクセル簿記で作り、そのまま印刷して税務署へ提出
- 【方法②】エクセル簿記で作り、内容をeTAXで手入力して、税務署へ電子送信(我家はこちら)
- 【方法①】国税庁HPからテンプレートをダウンロードして印刷・手書き作成して税務署へ提出
- 【方法②】eTAXで作成して税務署へ電子送信(我家はこちら)


【ダウンロードする】エクセル簿記テンプレートは必ず最新版をDLして使う!
それではいよいよ本題です。
まずはエクセル簿記のテンプレートをダウンロードするわけですが、ポイントは、毎年必ず最新版をダウンロードして使うことです!



【ステップ1】会計期間を入力する
テンプレートを開くと、まずはじめにこのシートが出てくると思います↓
下の方には、先に解説していた、仕訳帳や決算書などの各帳簿のシートタブが並んでいます。

それぞれのシートタブをクリックすると、各帳簿へ移動することができますし、配置されているリンクボタンも直感的に使えるので、色々触って試してみてください!


さてテンプレートを開いたら、なにはともあれまずは「会計期間」を入力します(数字だけ入力すればOK)↓

【ステップ2】決算書①に申告者の情報を入力する
さて必要事項をどんどん入力していきます!

とりあえず、決算書①に住所や氏名などの申告者情報を入力します↓
もし白セルの修正やアレンジをしたい場合はシート保護の解除が必要になるそうです(エクセル簿記/ExcalBの標準マニュアル)※我家はやったことないです。

【ステップ3】決算書④(貸借対照表)に期首残高を入力する
開業時の自己資金は、決算書④(貸借対照表)に期首残高として入力すればOKです↓




次年度以降の前期繰越についても、上記同様に貸借対照表の期首残高のところに入力するだけで完了です!(仕訳作業不要)


エクセル簿記の元入金については、[仕訳帳シート]に入力できない仕様になっています。
元入金は、期首における開始仕訳や、期末における決算振込手続きなどに使われるべき勘定科目ですが、エクセル簿記では、期首残高を直接入力することで、開始仕訳や決算振込手続きを省略する方式を採用しているため、元入金を仕訳する必要がありません。
エクセル簿記/ExcalBの標準マニュアルより抜粋
どうしても入力したい場合は、エクセル簿記/ExcalBの標準マニュアルの「資本金の仕訳」を参考にしてください。
【ステップ4】オリジナル仕訳帳を作ってエクセル簿記に転記すると決算書①②④が完成|無料テンプレートあり
さてさて、いよいよ帳簿作りで最もパワーを必要とする工程、仕訳帳作りに着手しましょう(`・ω・´)
エクセル簿記に付属している仕訳帳は、直接入力して作成することもできますが(これが一般的な使い方)、我家はさらなる効率化を目指して、オリジナルの作成手法を実践しています。
我家流の仕訳帳の作り方については、全てこちらの記事にまとめましたので参考にしてみてください(^-^)
上記の記事でも解説していますが、仕訳帳への記帳が完了すると、その内容が決算書にも自動的に反映されます↓

決算書①↓

決算書②↓

決算書④↓

【ステップ5】決算書③(減価償却費ほか)を作成する|※必要な人のみ
仕訳帳を作っても決算書③だけは、自動作成してくれないので、必要な人は手打ちで完成させましょう!



【補足】個人事業主がe-Taxで青色申告(確定申告)する方法

冒頭でも書きましたが、エクセル簿記で利用した場合、決算書や申告書の税務署への提出方法は以下の2パターンから選べます。
- 【方法①】決算書や申告書を印刷して、税務署へ提出(郵送)
- 【方法②】eTAXで作成して税務署へ電子送信(我家はこちら)
【方法②】を使うと、作成から送信まですべて自宅で完結できるのがメリットです。
またeTaxを使用して電子申告すると、控除金額を最大化できる(65万円)というメリットもあります。※電子申告しない場合は55万円
我家は開業してからの4年間、ずっとe-Taxをつかって電子申告してきた経緯もあって、これ以外は考えられません。やはり自宅にいながら申告作業すべてを完結できるのは大きなアドバンテージです(^-^)
e-Taxをつかった電子申告方法については、以下にまとめましたのでよければご参考ください。
【さいごに】青色申告帳簿の作り方については青色申告会が頼りになる!
我家もそうでしたが、青色申告初心者や複式簿記に自信のない人は、作成していく過程の中で、どうしてもギモンや分からないことが出てくると思います。

そんな方はお近くの青色申告会を頼ってみてはいかがでしょう?
我家もお世話になりましたが、かんたんな記帳指導であれば無料でサポートしてくれました。
最後になりますが、我家は開業して4年目が経とうとしており、来春もまたエクセル簿記を使って青色申告を行うつもりです。
帳簿作りはまだまだ分からないことも多いですが、エクセル簿記や青色申告会のおかげで、毎年少しずつステップアップできています。
この記事が少しでもみなさんのお役にたてると嬉しいです(^-^)