妻が個人事業主になったので、今年2019年から青色申告(65万控除)をすることになった我家です。
そこで普段使い慣れてるエクセルで、青白申告書類を作成できる無料テンプレートを探していると『エクセル簿記/excelB』なるものを発見。
これはマイクロソフトの支援を得てソフト開発を行っている、KAC郡山そろばんセンターが無料配布しているテンプレートです。
こいつが非常に優秀なツールでして、我家のように自作のエクセル家計簿で収入&経費管理してる人間にとっては、相性良すぎて正直ビビりました。
しかもこのレベルで無料配布とは信じられない・・・控えめに言って感動しています。
で試しに使ってみたところ、エクセル簿記(excelB)の魅力や、活用・アレンジ方法などがかなり分かってきたので、今日はそれをご紹介します。
このたび、エクセル家計簿歴10年のノウハウを駆使して『エクセル家計簿を使い倒すための完全解説マニュアル』を作りました✏️
完成済みテンプレートが付属しており、テンプレートの使い方&作り方、カスタマイズ方法や便利テクニックなどの全てのノウハウについて解説しています。
メールサポートも可能です。わからないこと・むずかしいことがあれば解決のお手伝いができます🧐📩
詳しいことは商品紹介ページをみていただきたいのですが、価格を超える価値をお届けできる自信があります😄🎁
本気でエクセル家計簿を習得したい方にとっては、コスパ最強の教材になることをお約束します。
エクセル家計簿を徹底的に使い倒したい方はぜひご活用くださいませ❗️
見出し
はじめに。なぜMFクラウドやfreeeじゃなくてエクセル簿記なのか
青色申告の定番有料ソフトといえば、MFクラウドやfreee、やよいなどがありますよね。
我家も最初はMFクラウドの無料期間を利用して、試しに仕訳帳を作成してみました。が、これらの理由により諦めました↓
- 経費の仕訳がめちゃくちゃ面倒
- せっかくエクセルに収支データを記録してるんだから有効活用したい
- 価格に見合うほどの価値・メリットが見いだせない
①については、MFクラウドに非はなくて、すべての事業費と生活費を一枚のクレジットカードで支払うという、我家の運営方法に原因があります。
MFクラウドが、クレジットカードの利用履歴を自動で吸いあげてくれたとしても、生活費のデータ量が膨大過ぎて、「これは生活費で、んでもってこれは事業費で~・・・」などと手動仕訳するのは地獄です。
そんなことしてたら日暮れちゃうレベルだし、たぶんストレスフルで発狂します。
そんなときにウチのCEOより鶴の一声が。


そう思ったのが②の動機であり、そういう背景もあって青色申告ソフトにお金をかけるメリットが我家にはなかったので(③)、じゃあ全部エクセルで青色申告しちゃおうと思いました。
そういうことで今に至ります。
エクセル簿記で作ることができる青色申告帳簿
- エクセル簿記のテンプレートをもとに解説していきます。テンプレートはこちらより無料ダウンロードできます。
- エクセル簿記には4つのテンプレートがありますが(一般用・農業用・不動産用・減価償却専用)、今回は一般用を使って解説していきます。
まずは本題に入るまえに、エクセル簿記(一般用)ではどんな帳簿が作れるのかをご紹介します↓
- 仕訳帳
- 決算書(①②③④)
- 総勘定元帳
- 固定資産台帳

それでは実際に、エクセル簿記で作れる書類をみていきましょう。
仕訳帳

青色申告決算書①(損益計算書)
青色申告決算書②

青色申告決算書③

青色申告決算書④(貸借対照表)

総勘定元帳

固定資産台帳

エクセル簿記のメリット・デメリット
実際に使い倒してみて分かった、エクセル簿記のめちゃくちゃ良かった点と、イマイチな部分をまとめます。
メリット1)エクセルのみで帳簿作りが完結
作成可能な帳簿の種類については後述しますが、たとえば、最初に作りはじめる仕訳帳がこれです(というか仕訳帳さえできたらほぼ帳簿作りは完了)↓
緑色の部分を順次手入力していくカタチになります。

ちなみに、僕らは複式簿記の知識が一切なかったので、勘定科目などの選定には多少苦労しましたが、、、
科目コードをクリックすると、こんな一覧表が出てくる親切設計になってるので助かりました↓

あと普通のエクセルと同様に、コピペやオートフィルも可能です。エクセル慣れしてる人なら、特に違和感なく使えると思います。
しかも仕訳表ができたら、そのデータが他の帳簿に自動転記されて、勝手に他の帳簿もほぼ出来上がっています。
きっとここまで自動化されている青色申告用のエクセルテンプレートは、現状では他にないんじゃないかなと思います。
メリット2)無料。誰でもダウンロードして即使用可能
エクセル簿記自体のテンプレートファイルは、ダウンロードするだけで誰でも無料で使えます。
またひと通りの操作は無料マニュアルで事足りますが、完璧に使い倒したければ有料マニュアル(¥2,160)も用意されています。
お金がかかってくるとすれば、この有料マニュアルの購入時くらいでしょうか。まあとはいっても、毎年1万円を支払いつづけなきゃいならない有料ソフトに比べたら破格ですね。
ちなみに我家は、一応有料マニュアルを買いましたが、一度目を通しただけでその後はそっとフォルダにしまってあります・・・(今のところ無料マニュアルだけで間に合ってます)。
メリット3)マクロ一切不使用のテンプレート
最初にエクセル簿記をみたとき、ガチガチにマクロ組んでるのかと思いましたが、実はマクロは不使用で関数のみで作られていることを知って驚きました・・・。
動作も軽くてありがたいです。
デメリット1)データの並び替えや行追加などが簡単にできない
優秀なエクセル簿記ですが、一方でデメリットに感じる部分もあります。
まず、エクセル簿記の仕訳帳では、データの並び替えや行追加などが簡単にできません。
これらを実行するには、あらかじめ設定されているシート保護をそのつど解除する必要があります。
(エクセル簿記には関数がたくさん組み込まれていて、それが改変されないようにシート保護機能がかかっているのです)
やってみると分かりますが、並び替えや行追加のたびにこの操作が入るのは結構ストレスです・・・さらにこれらの操作が原因となり、関数エラーなどが起きるリスクも高まるかもなどど考えると、気持ちの良いものではありません。
デメリット2)按分率の計算が簡単にできない
我家のように、自宅を兼事業所として使っている個人事業主だと、一部の経費には按分率をかけて申告しますよね。
たとえば電気代などは100%ではなく、事業に使った分だけを、ある程度予測し切り分けて申告する(ちなみに我家は電気代の20%を申告しています)。
で、エクセル簿記の場合、エクセル簿記の仕訳帳をみるとわかるように、按分率を入力するセルはないので、「金額セル」には按分率を掛けた、申告金額を打ちこまなければなりません。
個人的な理想を言わせてもらえば、按分率を入力するセルも追加してもらって、按分率を掛けた金額を自動算出してほしいところではありますが。。
エクセル簿記によるさらに効率的な仕訳帳の作り方を考えた
先ほど挙げたエクセル簿記のデメリットをどうやったらカバーできるか考えてみました。
結論から書きますと、、、
あらかじめエクセルの別シートでオリジナルの仕訳帳を作っておく
↓
最後にエクセル簿記の仕訳帳にコピペする!

そう、拍子抜けするかもしれませんがこれだけです(笑)
色々と試した結果、これが最も省力化&時短化できるやり方だってことに気付きました。
最終的に欲しいのは、エクセル簿記の仕訳帳なんですが、それを作るためにもう一つの仕訳帳(オリジナル仕訳帳)を作りましょうってことです。
実際に作ったオリジナル仕訳帳↓

あらかじめオリジナル仕訳帳を作ることで、先に挙げたデメリットが解消されます。
シート保護などの制約がないために、データの並び替えや行追加、按分率の計算が簡単にできるようになります。エクセル簿記本体の仕訳帳には触らないので、もともと仕込まれている関数を改変しちゃうリスクもなくなります。
つまり編集作業が圧倒的に安全で早くて楽になるってわけです。
具体的なオリジナル仕訳帳の作り方、エクセル簿記への転記方法については、すべてこちらの記事にまとめたのでよければ活用してみてください↓
【我家はさらに効率化】エクセル家計簿から仕訳帳を最速で作る方法を考えました
補足になりますが、実は我家は上記の方法ではなく、以下の手法で仕訳帳を作成しています。
我家はふだんから、自作のエクセル家計簿で、プライベート&事業の収支をすべて記録/管理しているのですが、、、
そこから事業に関する収支だけを抽出して、最速で仕訳帳や青色申告帳簿を作っています。
2021年の青色申告は、すべてこの手法を実践してみたところ、過去最速で申告帳簿を完成させることができました。エクセル家計簿をふだんから記録しているフリーランスの方は、こちらの手法をおすすめします↓
エクセル簿記をおすすめしたい人
- 青色申告ソフトの使い方を覚えるのが面倒、普段から使い慣れているエクセルで申告したい
- 青色申告ソフトにお金をかけたくない、無料で済ませたい
- 自作のエクセル家計簿などで事業の収支をすべて記録している(してなくても作成可能)
我家もそうですが、上記にすべて当てはまる人は、有料申告ソフトよりもエクセル簿記を使った方が、もっとラクに早く安く申告書類が作成できると思います(経験談)。
特にエクセル家計簿で日々の収支を記録している人は、言ってみれば、すでに仕訳帳が半分出来上がっている状態です。
それを活用しないなんて実にもったいない。有料ソフト上で一つずつ仕訳するより、エクセルでデータ抽出してコピペしたほうが早かったです。
さいごに補足ですが、青色申告書類の作り方について迷ったら、青色申告会にお世話になってみるといいです。
かんたんな記帳指導なら無料でサポートしてくれます。我家もめちゃくちゃ助けてもらいました。


【さいごに】個人事業主がe-Taxで青色申告(確定申告)する全手順

エクセル簿記をつかった場合、決算書や申告書の税務署への提出方法は以下の2パターンから選べます。
- 【方法①】決算書や申告書を印刷して、税務署へ提出(郵送)
- 【方法②】eTAXで作成して税務署へ電子送信(我家はこちら)
【方法②】を使うと、作成から送信まですべて自宅で完結できるのがメリットです。
またeTaxを使用して電子申告すると、控除金額を最大化できる(65万円)というメリットもあります。※電子申告しない場合は55万円
我家は開業してからの4年間、ずっとe-Taxをつかって電子申告してきた経緯もあって、これ以外は考えられません。やはり自宅にいながら申告作業すべてを完結できるのは大きなアドバンテージです(^-^)
e-Taxをつかった電子申告方法については、以下にまとめましたのでよければご参考ください。