妻が個人事業主になったので、今年2019年から青色申告(65万控除)をすることになった我家です。
そこで普段使い慣れてるエクセルで、青白申告書類を作成できる無料テンプレートを探していると『エクセル簿記/excelB』なるものを発見。
これはマイクロソフトの支援を得てソフト開発を行っている、KAC郡山そろばんセンターが無料配布しているテンプレートです。
こいつが非常に優秀なツールでして、我家のように自作のエクセル家計簿で収入&経費管理してる人間にとっては、相性良すぎて正直ビビりました。
しかもこのレベルで無料配布とは信じられない・・・控えめに言って感動しています。
で試しに使ってみたところ、エクセル簿記(excelB)の魅力や、活用・アレンジ方法などがかなり分かってきたので、今日はそれをご紹介します\(^^)/
このたび、エクセル簿記を使って青色申告帳簿を作るための【初心者向け】解説マニュアル記事を公開しました✏️
[kanren postid="14133"]
ブロガーである我家も、実際にこの手法で過去5年間、問題なく帳簿を作成・提出してこれました❗️
複式簿記はまだまだ苦手意識がある我家ですが、エクセル簿記と青色申告会のおかげで、無事にいままで申告できています😄
青色申告初心者の方や、エクセルで帳簿作りを完結させたい方のお役に立てるとうれしいです🎶
【はじめに】なぜMFクラウドやfreeeじゃなくてエクセル簿記なのか
青色申告の定番有料ソフトといえば、MFクラウドやfreee、やよいなどがありますよね。
我家も最初はMFクラウドの無料期間を利用して、試しに仕訳帳を作成してみました。が、これらの理由により諦めました↓
- 経費の仕訳がめちゃくちゃ面倒
- せっかくエクセルに収支データを記録してるんだから有効活用したい
- 価格に見合うほどの価値・メリットが見いだせない
①については、MFクラウドに非はなくて、すべての事業費と生活費を一枚のクレジットカードで支払うという、我家の運営方法に原因があります。
MFクラウドが、クレジットカードの利用履歴を自動で吸いあげてくれたとしても、生活費のデータ量が膨大過ぎて、「これは生活費で、んでもってこれは事業費で~・・・」などと手動仕訳するのは地獄です・・。
そんなことしてたら日暮れちゃうレベルだし、たぶんストレスフルで発狂します・・(^-^;)
そんなときにウチのCEOより鶴の一声が。
そう思ったのが②の動機であり、そういう背景もあって青色申告ソフトにお金をかけるメリットが我家にはなかったので(③)、じゃあ全部エクセルで青色申告しちゃおうと思いました。
そういうことで今に至ります。
エクセル簿記で作ることができる青色申告帳簿
- エクセル簿記のテンプレートをもとに解説していきます。テンプレートはこちらより無料ダウンロードできます。
- エクセル簿記には4つのテンプレートがありますが(一般用・農業用・不動産用・減価償却専用)、今回は一般用を使って解説していきます。
まずは本題に入るまえに、エクセル簿記(一般用)ではどんな帳簿が作れるのかをご紹介します↓
- 仕訳帳
- 決算書(①②③④)
- 総勘定元帳
- 固定資産台帳
それでは実際に、エクセル簿記で作れる書類をみていきましょう。
仕訳帳
青色申告決算書①(損益計算書)
青色申告決算書②
青色申告決算書③
青色申告決算書④(貸借対照表)
総勘定元帳
固定資産台帳
エクセル簿記のメリット・デメリット
実際に使い倒してみて分かった、エクセル簿記のめちゃくちゃ良かった点と、イマイチな部分をまとめます。
メリット1)エクセルのみで帳簿作りが完結
作成可能な帳簿の種類については後述しますが、たとえば、最初に作りはじめる仕訳帳がこれです(というか仕訳帳さえできたらほぼ帳簿作りは完了)↓
緑色の部分を順次手入力していくカタチになります。
ちなみに、僕らは複式簿記の知識が一切なかったので、勘定科目などの選定には多少苦労しましたが、、、
科目コードをクリックすると、こんな一覧表が出てくる親切設計になってるので助かりました↓
あと普通のエクセルと同様に、コピペやオートフィルも可能です。エクセル慣れしてる人なら、特に違和感なく使えると思います。
しかも仕訳表ができたら、そのデータが他の帳簿に自動転記されて、勝手に他の帳簿もほぼ出来上がっています。
きっとここまで自動化されている青色申告用のエクセルテンプレートは、現状では他にないんじゃないかなと思います。
メリット2)無料。誰でもダウンロードして即使用可能
エクセル簿記自体のテンプレートファイルは、ダウンロードするだけで誰でも無料で使えます。
またひと通りの操作は無料マニュアルで事足りますが、完璧に使い倒したければ有料マニュアル(¥2,160/買切型)も用意されています。
お金がかかってくるとすれば、この有料マニュアルの購入時くらいでしょうか。まあとはいっても、毎年1万円を支払いつづけなきゃいならない有料ソフトに比べれば、破格ですよね!
メリット3)マクロ一切不使用のテンプレート
最初にエクセル簿記をみたとき、ガチガチにマクロを組んでるのかと思いましたが、実はマクロ不使用で関数のみで作られていることを知って驚きました・・・。
デメリット1)データの並び替えや行追加などが簡単にできない
優秀なエクセル簿記ですが、一方で、時々「もう少し〇〇だったらなぁ・・」と感じる部分も正直あります。
まず、エクセル簿記の仕訳帳では、データの並び替えや行追加などが簡単にできません。
これらを実行するには、あらかじめ設定されているシート保護をそのつど解除する必要があります。
やってみると分かりますが、並び替えや行追加のたびにこの操作が入るのは結構ストレスに感じてしまいます・・さらにこれらの操作が原因となり、関数エラーなどが起きるリスクも高まるかもなどど考えると、気持ちの良いものではありません。
デメリット2)按分比率の計算が簡単にできない
我家のように、自宅を兼事業所として使っている個人事業主だと、一部の経費には按分比率(家事按分ともいいますね)をかけて申告しますよね。
たとえば電気代などは100%ではなく、事業に使った分だけを、ある程度予測して切り分けて申告する(ちなみに我家は電気代の20%を申告しています)。
で、エクセル簿記の場合、エクセル簿記の仕訳帳をみるとわかるように、按分比率を入力するセルはないので、事前に按分比率を掛けた金額を算出しておく必要があります。
エクセル簿記によるさらに効率的な仕訳帳の作り方を考えた
先ほど挙げた、エクセル簿記の少しだけ不満に感じる点について、どうしたらフォローできるか考えてみました。
結論から書きますと、、、
あらかじめエクセルの別シートでオリジナルの補助仕訳帳を作っておく
↓
それをエクセル簿記の仕訳帳にコピペする!
そうなんです、色々と試した結果、これが最も省力化&時短化できるやり方だということに気付きました。
最終的に欲しいのはエクセル簿記の仕訳帳なんですが、それを作るための補助仕訳帳を作りましょう!ってことです。
実際に作ったオリジナルの補助仕訳帳です↓
あらかじめ補助仕訳帳を作っておくことで、先に挙げた「ウィークポイント」が解消されます。
シート保護などの制約がないために、データの並び替えや行追加、按分率の計算が簡単にできるようになります。エクセル簿記本体の仕訳帳には触らないので、もともと仕込まれている関数を改変しちゃうリスクもなくなります。
つまり編集作業が圧倒的に安全で早くて楽になるというわけです。
具体的な補助仕訳帳の作り方、エクセル簿記への転記方法については、すべてこちらの記事にまとめたのでよければ活用してみてください↓
【我家はさらに効率化】エクセル家計簿から仕訳帳を最速で作る方法を考えました
余談になりますが、実は我家は上記の方法ではなく、ちょっと違う手法で仕訳帳を作成しています。
我家はふだんから、自作のエクセル家計簿で、プライベート&事業の収支をすべて記録/管理しているのですが、、、
そこから事業に関する収支だけを抽出して、最速で仕訳帳や青色申告帳簿を作っています。
エクセル家計簿をふだんから活用しているフリーランスの方は、こちらの手法をおすすめします↓
エクセル簿記をおすすめしたい人
- 青色申告ソフトの使い方を覚えるのが面倒、普段から使い慣れているエクセルで申告したい
- 青色申告ソフトにお金をかけたくない、無料で済ませたい
- 普段からエクセルを使って事業の収支を記録している(してなくても作成可能)
我家もそうですが、上記に当てはまる人は、有料申告ソフトよりもエクセル簿記を使った方が、早く安く申告書類が作成できると思います(経験談)。
特にエクセルで日々の収支を記録している人は、言ってみれば、すでに仕訳帳が半分出来上がっている状態です。
それを活用しないなんて実にもったいないなと思います。有料ソフト上で一つずつ仕訳するより、エクセルでデータ抽出してコピペしたほうが早かったです^^
さいごに補足ですが、青色申告書類の作り方について迷ったら、青色申告会にお世話になってみるといいです。
かんたんな記帳指導なら無料でサポートしてくれます。我家もめちゃくちゃ助けてもらいました。
【さいごに】個人事業主がe-Taxで青色申告(確定申告)する全手順
エクセル簿記をつかった場合、決算書や申告書の税務署への提出方法は以下の2パターンから選べます。
- 【方法①】決算書や申告書を印刷して、税務署へ提出(郵送)
- 【方法②】eTAXで作成して税務署へ電子送信(我家はこちら)
【方法②】を使うと、作成から送信まですべて自宅で完結できるのがメリットです。
またeTaxを使用して電子申告すると、控除金額を最大化できる(65万円)というメリットもあります。※電子申告しない場合は55万円
我家は開業してからの5年間、ずっとe-Taxをつかって電子申告してきた経緯もあって、これ以外は考えられません。やはり自宅にいながら申告作業すべてを完結できるのは大きなアドバンテージです(^-^)
e-Taxをつかった電子申告方法については、以下にまとめましたのでよければご参考ください。
コメント
コメント一覧 (17件)
初めて確定申告するので、助かります。
ありがとうございます
こちらこそ参考にしていただきありがとうございます(*ˊ˘ˋ*)♬
我家も引き続き今年の青色申告もエクセル簿記で行う予定です。
今年、初めて青色申告をするにあたって、いろいろ検索していたところ、こちらにたどり着きました。
とても助かります。
ありがとうございますm(__)m
しまじろうさん、コメントありがとうございます(○ˊᵕˋ○)
我家も今年もエクセル簿記で青色申告する予定です。
一緒に頑張りましょう♪
はじめましてこんにちは!
非常に助かります! 情報が丁寧でわかりやすいです
と、このホームページはレンタルサーバで自作ですか?
私も個人事業主をする事になり、参考にさせてほしいです
サイトはまだありません。
さきほどから追加です
開業費は初年度は使用されなかった感じですか?
経費とは違い、年毎で償却できると読んでいてでてきたので、質問です
なんどもすいません。
ホームページ熟読させて頂いております。
あきさん、はじめまして!
記事を読んでいただきありがとうございます。
お察しの通り、このブログはレンタルサーバーを借りて、ワードプレスで自作しています。
(ちなみにサーバーはmixhostを使っています)
また我家の場合、開業費は特にありませんでした。
というのもこのブログは元々趣味で始めたものであり、本格的に収益化を目指そうと決めたタイミングで事業化したからです。
事業化するにあたって、新たな準備費用は必要ありませんでした。
(たとえば、レンタルサーバーは事業化する前から今のサービス=mixhostを利用していた)
もちろん事業化してからの経費はしっかり申告するようにはしていますよ(レンタルサーバー代やスマホ通信費など)。
以上参考になりましたら幸いです^^
早速の返信ありがとうございます!
ワードプレスなんですね!過去にビルダーやウィーバー等使って来ましたが、
ソフトを頼ると中々身についてないなと実感しています。
とても見やすい、分かりやすいので関心する一方です。
実は近々ホームページ作成もしたいと考えていますので差し支えない時に教えてください!
と、ExcelBのシート解除のパスワードはどこかに記載されていましたでしょうか?
大分類で、売上、経費、開業費となるのかなぁとおもいつつ、作業した場合、
ExcelBの勘定科目の費用に、開業費を足すのでいいのかな?と手探りしていて
あ、解除できない。と思いこちらで聞くのもおかしいのですが、先生にきかないと。という
気持ちできいてしまっています。 メールでも結構ですので、よければ教えてください!
そうたろさん何度もすいません
先ほどの件パスワード解除できました。
色々しました笑
ありがとうございます。
当方2020年度から確定申告をします。いろいろソフトを検討しています。とても参考になりました。
一つ質問です。テンプレートの「青色申告決算書」の①から④は税務署指定の書面と同じ体裁で作成されていますが、このテンプレートはそのまま
税務署提出用として問題ないのでしょうか?税務署はOCR機で読み取ることを前提にしているので拒否されることはないのでしょうか?
よろしくお願いします。
アサノさん、記事を読んでいただきありがとうございます^^
ご質問頂いた件ですが、実は我家はeTAXで申告しているので、エクセル簿記で完成した決算書のデータをそのままPC上で手打ち入力して申告しています。
(手打ち、、、となると煩雑そうですが、転記するデータ自体はそんなに多くないので我家はすぐ終わったと妻が言っておりました)
そのため、エクセル簿記のテンプレート(決算書)を印刷してそのまま税務署に提出したことはないのですが、ググってみましたら実際に提出された方もおられるようです。
参考 : http://blog.management.main.jp/?eid=621439
税務署によって対応が異なるかもしれませんので、あらかじめ管轄の税務署に確認された方が確実かもしれませんね。
参考になりましたら幸いです。
青色申告に挑戦しようと思っていろいろなサイトを調べていたんですが、ダントツでわかりやすく、役に立ちました。本当にありがとうございます。
りょうさん、コメントいただきありがとうございます(^-^)
(お返事が遅れてしまいすみません)
もともとは青色申告ど素人だった自分たちのために書いた備忘録でした。そう言ってもらえて嬉しいです!
はじめまして。
ExcelBについて質問があります。
ソフト内の『平成』表記の修正方法はあるのでしょうか?
アキさん、コメントいただきありがとうございます。
エクセル簿記の最新バージョンのテンプレートをダウンロードいただくと「令和表記」になっていますよ!
ご確認のほど宜しくお願い致します。
返信ありがとうございます。
早速DLしました!
でも、所々「平成」ですね…。減価償却の「取得月日」は西暦で入力しても「H表記」に変換されてしまいます。
まあ、下書きの計算シートだからこのままでいいのでしょうか。
>でも、所々「平成」ですね…。減価償却の「取得月日」は西暦で入力しても「H表記」に変換されてしまいます。
先ほど、エクセル簿記(一般用)3.7をダウンロードして確認しましたが、我家の場合は、減価償却の「取得月日」を西暦で入力すると令和表記に変換されました。
(2021/1 → R3・1)
使用環境にもよるのでしょうかね・・・?
おっしゃる通り、これは下書きですので、税務署提出用の決算書に清書する際に修正してもいいと思います。