この記事は私・ちろるが書かせていただきました!
自営業の家計管理方法についてググってみると、以下のようなルールを守って運用すべき!といった記事をみかけます。
- 事業に使う経費と生活費の財布は完全に分けて管理したほうがいい
- 家計簿には生活費は書いていいが経費は書かないほうがいい
はたして本当にそうなのでしょうか?
たとえば携帯電話など、生活費から100%支払っているけど事業で使っている商売道具もあります。この場合、家計簿はどんなふうに記録していくのがいいでしょうか?
我家も同じような支出がありますが、なるべく手間をかけず、シンプルかつ効率的に管理できるようにこころがけています。
ということで今回は、自営業5年目の私がふだんから実践している、自営業の経費や生活費の家計簿のつけ方について解説していきます。
この記事で紹介しているのは、あくまでも「我家流の方法」になります。
我家は税理士資格を持っておりませんし、作成方法を指導できる立場ではありませんので、この記事の内容は参考情報として捉えていただければ幸いです(。ᵕᴗᵕ。)”
【はじめに】事業用の経費とプライベート用の生活費を分ける必要はない
結論から書きますと、我家は経費と生活費を分けて記録していません。その理由をかんたんにまとめますね。
経費も生活費もおなじ財布(クレジットカード)で支払っている
経費と生活費はそれぞれ別々の財布で管理して支払っておくべきという意見もありますが、我家は経費も生活費もお金の出所はすべておなじです。
わざわざ財布を2つ用意したり、クレジットカードを2枚持つことはなく、経費も生活費もすべておなじ財布やクレジットカードで支払っています。
その理由としては、支払方法を分けることが現実的に不可能な経費(生活費)も多々あるからです。
もう少し具体的な例を挙げてみますね。
以下4つの支払い場面についてそれぞれ考えてみましょう。
- 事業でしか使わない領収書用の伝票用紙を買った
- 事業とプライベート両方で使っている携帯電話の利用料金を支払った
- 自宅兼オフィスである賃貸物件の家賃を支払った
- 事業とプライベート両方で使っている自家用車のガソリン代を支払った
まず①については、伝票用紙は100%事業用として使うものですから、事業用の財布やクレジットカードから支払うことは可能です。
でも、②と③についてはどうでしょう?
携帯料金や家賃などについて、事業とプライベート両方で使っているから支払いも分けてお願いします・・というのは不可能かと思います。
また④については、支払いを分けることはできなくもなさそうですが、支払いのたびに事業用とプライベート用の財布を2つ持ち歩くなんてのも、あまりスマートではない気がします・・(^-^;)
ということで結論をかんたんにまとめると、我家のような小規模の個人事業主の場合、事業用とプライベート用に分けられる支払いも一部ありますが、分けられない支払いの方が多いので、我家ではすべて生活用の口座(クレジットカード)から支払うことにしています。
ちなみに我家では、経費は生活用口座から支払っていますが、売上については生活用口座ではなく事業用口座で管理するようにしています。
でも支払方法を分けておかないと、確定申告の帳簿(仕訳帳)を作るときに苦労するのではないですか?
そこに関しては、我家はとある方法で解決しています。詳しくは後半で解説しますね。
ひとつの家計簿に経費と生活費をまとめて書いている
一般的なサラリーマン家庭と違って、自営業の場合は、経費と生活費という2種類の支出がありますよね。
ふだんから家計簿をつけていない自営業の人でも、確定申告に必要な帳簿(仕訳帳など)は必ずつけていると思います。
事業帳簿だけでいい!家計簿は不要!という方は問題ないのですが、家計簿も帳簿もどちらもつけたい場合に、まじめに家計簿と帳簿をそれぞれ作ろうとすると大変骨が折れますよね・・・
たとえば、携帯電話の利用料金が月5,000円だったとして、プライベートで7割、事業で3割使っていた場合を考えてみます。
家計簿には生活支出として3,500円、事業用の帳簿には経費として1,500円を書くのが正攻法なのかもしれませんが、作業量が2倍になるので、時間も労力もそのぶんたくさんかかってしまいますよね・・汗
どうにかしてこの作業をもっと効率化できないかな?
そこで我家が考えたのは、家計簿1冊にプライベートの支出も事業で使った経費もすべてまとめてしまおうという作戦です。
正確には、家計簿に事業帳簿の役割を持たせることになるため、家計簿というよりは「家計簿兼事業帳簿」といったほうが正しいかもしれません。
こうすることで、家計簿と事業帳簿という2つの書き物を1つに集約できるので、入力作業を大幅に効率化することに成功しました。
家計簿にまとめて書くメリットはわかったのですが、たとえばさきほどの携帯電話の利用料金など、生活費と経費どっちにも該当する支出はどうやって書くのでしょうか?
それについては按分比率を使って自動算出することで、効率的に管理しています!詳しくは次項でお話ししますね。
【我家のやり方】エクセル家計簿で家事按分を効率的に管理
さきほども少し書きましたが、自営業の場合は、同じ支出でもプライベート用と事業用、といったように振り分けが必要なものもあり、その振り分けのことを「家事按分」といます。
さきほどの携帯電話の例でいくと、月5,000円の支出は、生活支出として3,500円、事業経費として1,500円に家事按分されます。
(よって按分比率は生活費:経費=7:3になりますね)
ちなみに、我家は自作のエクセル家計簿を使って家計管理しているのですが、家事按分の計算はエクセルが自動的にやってくれるのでとても楽ちんです。
以下は、エクセル家計簿の日々の収支を記録している記録シートというものです。
収入や支出などの数値データはわかりやすく変更しています!
そして、横の方に「按分比率」「勘定科目」「売上/経費」を追加して、青色申告向けのデータだけを抽出できるようにしています。
ちなみに按分比率の数字は、事業で使用している割合を意味しています。
「売上/経費」のセルには、「実際に発生した金額 × 按分比率」を満たす数式を入れています。
これにより1年分のすべての支出のなかから、事業に関する経費だけを一瞬で抽出できるようになります。
これ以降は余談になりますが、さきほど抽出できるようにしたデータは、日付順に一年分あるので、データ量が膨大です・・。
我家では、売上や経費のデータを月別にまとめているのですが、作業量を最小化するためにピボットテーブル機能を活用して集計しています。
こうすることで膨大なデータを、勘定科目&月毎にコンパクトに集計することができます。
エクセルに標準装備されているピボットテーブル機能は膨大なデータを瞬時に自動集計してくれる、とっても便利な機能です!
新たにデータを追加した場合も、「更新」をワンクリックするだけで、以下のように瞬時に反映されます。
ピボットテーブルを使って経費の集計表を作る方法については、【教材フルセット】「やさしいエクセル家計簿のはじめ方」で公開しています。
【確定申告のポイント】個人事業主の経費は「事業主借」で仕訳すると楽チン
事業に使う経費もプライベートの生活費も同じ財布やクレジットカードで支払うメリットはわかりますが、そうすると確定申告の帳簿作り(仕訳作業)がたいへんになると聞いたのですが・・
はい、おっしゃる通りでございます。
たとえば同一のクレジットカードで経費も生活費もまとめて支払っていた場合、本来であれば、すべての取引について「個人向けの支出」と「事業向けの支出」両方について仕訳していく必要があるとのことです(青色申告会の方がそのように言っていました)。
つまり膨大な時間と労力を必要とするハメになり、仕訳作業だけで数日を要してしまうかもしれません・・。
我家も青色申告1年目のときに、青色申告会の経営指導員さんからこのことを聞きまして、愕然としたことは今でもはっきり覚えています・・(^-^;)
しかし同時に、経営指導員さんからこのような神のアドバイスもいただきました。
こういった経費と生活費がごちゃまぜになっている取引の仕訳には勘定科目「事業主借」を活用するといいですよ!
このアドバイスにより、我家は膨大な仕訳作業に追われることもなくなり、青色申告1年目ながら無事に確定申告を済ませることができました。
【余談】事業の売り上げも家計簿にすべてまとめて書いています
先の画像や動画をごらんになった方はわかるかと思いますが、我家では、事業で発生した売上(収入)についても家計簿にまとめて書いています。
具体的には、その月に発生した売上総額を家計簿の収入欄に書くようにしています。
売上と給与はおなじ家計簿に書くべきではない、という意見もあるかもしれませんが、我家の場合、夫である僕はサラリーマンなので毎月給与収入があり、それとは別に妻の事業収入(売り上げ)があります。
事業収入も給与収入と同じで、生活していくための大事な収入ですし、家計簿に書いたとしても事業への悪影響や支障は特に感じていません。
ということで我家では、売上と給料、経費と生活費、つまりすべての収支を一つの家計簿に集約して記録することにしています。
【さいごに】エクセル簿記とエクセル家計簿で青色申告帳簿を作っています
ということで今回は、自営業の経費や生活費の家計簿のつけ方について解説してみました(^-^)
参考になる部分がありましたら嬉しいです。
さいごになりますが、個人事業主の方であれば、避けては通れない確定申告のお話をして終わりたいと思います。
我家は、今年2023年で確定申告(青色申告)は通算5回目をむかえますが、これまでの帳簿作りはすべてエクセルで完結させてきました。
正確にいうと、仕訳帳や決算書などの帳簿を作るのはエクセルで行い、税務署への提出はe-Tax上で帳簿データを手打ちして電子送信しています。
そして、仕訳帳や決算書などの帳簿を作るために重宝しているのがエクセル簿記というフリーソフトです(無料)。
エクセル簿記は、マイクロソフトの支援を得てソフト開発を行っているKAC郡山そろばんセンターが無料配布しているテンプレートになります。
エクセル簿記のおかげで、仕訳帳や決算書などの書類作りが格段に楽ちんになりました\(^^)/
エクセル簿記の魅力についてはこちらの記事にまとめましたので、よければご参考ください。
この記事が自営業の方々のお役にたてましたらとてもうれしいです(。ᵕᴗᵕ。)”
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
自営業の家計を預かって15年になりますが、何時もやりくりが大変で、この夏家計を見直そうと色々勉強中で、FPに相談したり保険を見直したりして自分に合ったやり方は無いものかと今日はネットで勉強しててこのサイトに巡り合いましたまだ、拝見したばかりですが、なんだか、これだ❗って思えるサイトに出会えたことが嬉しくて思わずコメントしてしまいましたこれからもっと勉強させて頂きますね
色々教えてください
かずりんさん、はじめまして。
コメントいただきありがとうございます。
ブログ記事がお役にたてましたらとても嬉しいです。
我家は妻がフリーランス(といっても専業ではなくパートもしているダブルワーカーですが、、)になってまだ数年でして、家計簿の付け方や帳簿の作り方などは、今でも勉強しながら少しずつノウハウを学んでいます。
我家は税理士ではないので、帳簿作りに関してアドバイスを差し上げたりすることはできませんが、これまでの体験談についてブログ上で公開しておりますので、参考になりましたら本望でございます。
うまくおこたえできるかはわかりませんが、なにかわからない点などありましたらお気軽にお問合せくださいませ\(^^)/