青色申告を行う個人事業主は、、、
- 事業専用のクレジットカードを用意して、プライベートと事業の支出を明確に分けるべき!
- もし生活費+事業費をまとめて一枚のクレジットカードで支払っている場合は、すべての利用明細を生活費と事業費に仕訳する必要がある!
よく参考書やネット記事などでは、そのように書かれているのを見かけます。
が、実際のところ本当にそうなのでしょうか?そして、そうしないと何か不都合なことがあるのでしょうか?
ということで今日は、個人事業主3年目の我家が、実体験をベースに学んだ「この問題を鮮やかに解決する方法」をお話ししてみようと思います!
このたび、エクセル簿記を使って青色申告帳簿を作るための【初心者向け】解説マニュアル記事を公開しました✏️
ブロガーである我家も、実際にこの手法で過去3年間、問題なく帳簿を作成・提出してこれました❗️
いまだに複式簿記がよくわかっていない我家ですが、エクセル簿記と青色申告会のおかげで、無事いままで申告できています😄
青色申告初心者の方や、エクセルで帳簿作りを完結させたい方のお役に立てるとうれしいです🎶
見出し
【問題その1】クレジットカードを事業⇔プライベートで使い分けるのはほぼ不可能
たとえばホームセンターで、事業に必要な「メモ帳」と、プライベートで使う「洗剤」を買ったとしましょう。
このとき馬鹿正直に、メモ帳は事業用のクレジットカードで支払い、洗剤はプライベート用のクレジットカードで支払わなければならないのでしょうか?
ハッキリ言って、そんなメンドクサイことやってられませんよね・・・(°∀°)ヒィィィィ
ほとんどの人は1枚のクレジットカードで支払いを済ませてしまいたいはずです。(実際我家もそうしています)
これは現金の場合にも言えることですが、わざわざ事業用のお金が入った財布と、個人用のお金が入った財布を、一緒に持ち歩いて使い分けるなんてナンセンスですよね。。
(そうしてる人もいるかもしれませんがウチはやりたくないです)
そもそも自宅で仕事をしている個人事業主の場合、家賃や光熱水費などは、個人用口座から引き落とされて、その一部を事業用として申告しますよね。
そのため生活用のお金と、事業用のお金をきっちり切り分けるなんてほぼ不可能なんですよね・・・
というか仮にやれたとしても「管理や記帳が鬼大変」になるのは目に見えているし、現実的に考えてあまりスマートな方法ではないなと感じます。
【問題その2】事業用のクレジットカードで買い物すると仕訳が大変
もちろん、事業専用のクレジットカードを作って運用しているフリーランスの方もたくさんいると思います。
ただ残念なことに、この手法を使うともう一つ弊害が出てきます・・・。
青色申告は発生主義なので、事業用のクレジットカードで買い物をすると、①買い物したタイミングと、②口座引き落としのタイミング、それぞれで仕訳を行う必要があります。
例をあげてみましょう。
- 3月10日 事業で使うメモ帳500円を事業用のクレジットカードで購入した
- 4月30日 事業用の通帳から3月1日~3月30日使用分の500円が引き落とされた
その際の仕訳はこのようになります↓

つまり、購入日と引き落とし日、それぞれの仕訳が必要になり、作業量が増えてしまいます・・・(´;ω;`)
クレジットカードの場合、購入日と引き落とし日の間にタイムラグがあることが原因です。
- いつ何を買ったのか(売ったか)
- その結果いくらお金が減ったか(増えたか)
現金払いの場合は、買った日と支払日が同日なので1回で済みますが、クレジットカードの場合は買った日と支払日が異なるので、仕訳も2回行う必要があります。
こうなってくると、事業用カードで運用しようする場合、正直メリットよりもデメリットの方が大きいような気がしてきます。
経費と生活費のお金の出どころは、たしかにキッチリ分けられるけど、時間と労力のかかり方がえげつない感じですよね。。
【問題その3】生活費も経費も同じクレジットカードで支払うと仕訳がもっと大変!
さて、こちらはもっと大変です。
生活費も事業費も全部ひっくるめて1枚のクレジットカードで処理してい場合、すべての取引について「個人向けの支出」と「事業向けの支出」両方について仕訳していかねばなりません・・・Σ(゚ロ゚;)
例をあげてみましょう。
- 3月15日 事業で使うための事務用品10,000円をクレジットカードで支払った
- 3月20日 事業で使うためのガソリン代5,000円をクレジットカードで支払った
- 3月30日 プライベートで使うための電車チケット5,000円をクレジットカードで支払った
- 4月30日 通帳から3月1日~3月30日使用分の20,000円が引き落とされた
この場合の仕訳はこうなります↓

たとえば我家の場合、メインカードとして使っている楽天カードの取引件数は、年間500件以上。
それをひとつずつ「これは生活費で~こっちは事業費で~」なんてやってたら、まじで発狂するレベルです・・・(°∀°)ヒィィィィ
しかも1回の買い物で、個人向け+事業向けと、両方合わせて買い物することも多々あるので、それらもすべて仕訳するとなると、、、これはもう確実に逝ってしまいますね(笑)
【解決策】経費も生活費も個人のクレジットカードで支払い、仕訳は「事業主借」で処理する!
さて、フリーランスになって1年目の我家のハナシになりますが、、、
ウチは事業費と生活費の切り分けなんて一切せず、個人用(生活費用)のクレジットカードですべての経費を支払っていたんですよね。
つまり前述した【問題その3】のパターンです。そう、一番ヤバいやつです・・・( ゚Д゚)笑
で、いよいよ確定申告の時期にさしかかり、恐る恐る最寄りの青色申告会にお邪魔して聞いてみたんですよね。



絶望と恐怖で卒倒しそうになるうちら夫婦を不憫に思ったのか、そのとき指導員さんから神の助言が!!!


さっそく、指導員さんが教えてくれた方法で、先ほどの例を仕訳してみるとこうなります↓
- 3月15日 事業で使うための事務用品10,000円をクレジットカードで支払った
- 3月20日 事業で使うためのガソリン代5,000円をクレジットカードで支払った
- 3月30日
プライベートで使うための電車チケット5,000円をクレジットカードで支払った(仕訳不要) - 4月30日
通帳から3月1日~3月30日使用分の20,000円が引き落とされた(仕訳不要)
仕訳はこうなります↓

簡単ですよね!!(*ˊ˘ˋ*)♬
- 事業用の経費を個人のお金から支払ったことになるので、貸方は「事業主借」になる
- 「事業主借」は、「事業用の経費を事業主個人(あるいは配偶者など)からお金を借りて支払った」とイメージすると分かりやすい
- 個人的な取引の仕訳は不要(事業に関する経費のみ記載すればOK)
- クレジットカードの引き落とし日の仕訳も不要
また借りたお金は返済する処理が必要になるわけですが、その際の仕訳はこうなります↓
※○○○○ = 経費の総額です
(借りて支払った経費の総額をまとめて返済するというイメージです。我家は年末付けで処理しています。入力も1行で終了です。)

現金払い&口座引き落としも「事業主借」で処理してOK
「事業主借」を使った処理方法は、現金払いや口座引き落としにも使えます。
例をあげてみましょう↓
- 3月15日 事業で使うクリアファイル300円を個人用の現金で購入した(100%経費として計上)
- 3月16日 ガソリン代として5,000円を個人用の現金で支払い、このうち1,500円(30%)を経費として計上する
- 3月20日 電気代として8,000円が個人口座から引き落とされ、このうち1,600円(20%)を経費として計上する
仕訳はこうなります↓

また返済の仕訳についてもクレジットカードの場合と同様でOK↓
※○○○○ = 経費の総額です

【さいごに】仕訳は定期的にやっておくと楽ちんです

エクセルにしても会計ソフトにしても、仕訳作業は定期的に行うクセをつけておくことが大事です。
確定申告の時期になって、まとめてやろうとするのは自殺行為です!(*´Д`)
(特にウチみたいに、プライベートと事業用の支出を、一緒の財布で管理している人は、鬼のような作業量になりますので・・・)
うちも週イチペースで、自作のエクセルテンプレートに入力するようにしています。
この記事が帳簿作りの一助になれば幸いです(^-^)